高度経済成長期とともに高学歴を目指す塾が増える

現代の学習塾の原点について

1960年代の高度経済成長期は、教育を投資と考える親が増えてきた時代とも言えます。経済的に安定して豊かになったため、子供に高い学歴をつけさせるために塾に通わせる家庭が増えたようですね。皆が学校へ行くべきという風潮になり始めた時期でもあり、学校でも業者テストや偏差値が導入されるようになります。そのため、学校の授業に合わせた補習塾としての需要が高まり、受験競争も激しくなりました。首都圏と地方都市を中心に学習塾が相次いで設立され、公立校志向が高まります。但し、学校の成績を上げるための学習塾なので、学校が一番、塾が2番という感じでした。そして、その頃から学歴社会・競争社会についていけず、学校の欠席率も増え始めたようです。

学習塾の存在意義とは

高度経済成長期は、農業や漁業などの自営業ではなく、会社勤めのサラリーマンが増えた時代です。そのため、就職先や給料が、高卒や大卒などの学歴で左右されると痛感した人が、我が子には学歴をつけさせたいと思うようになります。けれど、次第に学習塾が過熱してからは、「偏差値UP。有名校合格」などの広告で溢れ返るようになり、テレビでは、塾に頼らざるを得ない学歴社会や学校教育が批判的に取り上げられました。学習塾が教育問題として注目された時代とも言えますが、その高度経済成長から急激に増えた学習塾も、今ではなくてはならない存在です。また、塾を好ましくないと思っていた学校側も学習塾の指導法に注目する等、時代は変わっているようですね。